ほうじ茶

ほうじ茶にカフェインは含まれるのか|量や妊婦への影響を解説

「小さい子供がいるんだけどほうじ茶って飲ませていいのかな。」

「妊娠しているのでカフェインを摂取したくない。」

カフェインは妊婦さんや小さい赤ちゃん影響が出るため、ほうじ茶にカフェインが含まれているか気になりますよね。

また、寝る前にほうじ茶を飲むと眠れなくなってしまうかを気にしている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、ほうじ茶にはカフェインが含まれています

「じゃあ、ほうじ茶って飲まない方がいいの?どれくらいなら飲んでいいの?」と気になりますよね。

この記事では、詳しいほうじ茶のカフェイン量や、他のお茶と比較してカフェインが多いのか少ないのかを解説していきます。

また、ほうじ茶のカフェインがどのように人へ影響するかについても、次の4つのポイントから見ていきます。

◎妊婦さんへのカフェインの影響と飲める量の目安

◎赤ちゃんや授乳中のママへのカフェインの影響と飲める量の目安

◎子どもへのカフェインの影響と飲める量の目安

◎寝る前のカフェインの影響と飲める量の目安

この記事を読むことで、自分や家族に合ったカフェイン量のほうじ茶を選び、安心して日々の食事とともにほうじ茶を楽しめるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

1.ほうじ茶には100ml当たり20mgのカフェインが含まれる

ほうじ茶には、100mlあたり20mgのカフェインが含まれています。つまり全体の0.02%です。

ほうじ茶は、カフェインが少ないというイメージがあるかもしれませんが、カフェインを含まないわけではなく、少量ですが含んでいるのです。

普段ほうじ茶を飲むときに使う容器に当てはめてみると、次のようになります。

  • 小さめの湯呑み(約50ml)でほうじ茶を飲む場合:カフェイン量は10mg
  • 大きめの湯呑み(約120ml)でほうじ茶を飲む場合:カフェイン量は24mg
  • マグカップ(約300ml)でほうじ茶を飲む場合:カフェイン量は60mg
【水出しほうじ茶はカフェイン量がさらに少ない?】
同じほうじ茶でも、水出しにすれば、さらにカフェイン量をおさえることができます
カフェインは、温度の高い水に溶けやすいという性質を持っており、特に60℃以上で多く溶け出します。
反対に、水出しにするとカフェインの溶け出しをおさえ、カフェインを減らすことができるのです。
水出しほうじ茶のカフェイン量の正確なデータはありませんが、参考までに水出し緑茶のカフェイン量は、高温のお湯で出した時と比較すると半分のカフェイン量になります。

2.ほうじ茶のカフェインは他のお茶と比較して少ない

ほうじ茶のカフェイン量は2%ということがわかりましたが、これは他のお茶に比べて少ないのでしょうか。

他のお茶とほうじ茶のカフェイン量を比較してみましょう。

また他のお茶と比較して、ほうじ茶のカフェイン量が少ない理由も解説していきます。

2-1.他のお茶とのカフェイン量比較一覧

他のお茶とほうじ茶のカフェイン量を比較すると、次のようになります。

お茶の種類 100ml当たりに含まれるカフェイン量
玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
玄米茶 10mg
烏龍茶 20mg
紅茶 30mg
麦茶 0mg
(参考:コーヒー) (60mg)

玉露はほうじ茶の8倍紅茶はほうじ茶の1.5倍のカフェインが含まれています。

反対に、番茶や玄米茶のカフェイン量はほうじ茶の半分で、麦茶はカフェイン量がゼロです。

2-2.他のお茶よりカフェインが少ない理由

なぜほうじ茶のカフェイン量が少量なのか、その理由はほうじ茶の製法にあります。

ほうじ茶は、緑茶を強火で炒り作るお茶です。

緑茶は、その収穫時期によって名前が異なります。

一番茶=新茶:4〜5月に摘まれるお茶。1年のうちで最も質が良い。二番茶:5〜6月ごろに摘まれるお茶。三番茶:二番茶の収穫の1ヶ月後に摘まれるお茶。秋冬番茶:秋〜冬に摘まれるお茶。

新茶が甘くて一番美味しいお茶となり、二番茶以降は徐々にカテキンが多くなり、緑茶として飲むには苦味が強くなってきます。

そのため、ほうじ茶を作るには二番茶以降が使われます。

二番茶以降は、カテキンは多くなるのですが、カフェインの量は徐々に減っていきます。さらに、茶葉を炒ることでカフェインの量も減少します。

こういった理由から、緑茶と比較するとほうじ茶はカフェイン量が少ないのです。

3.ほうじ茶のカフェインによる影響が気になる5つのケースとおすすめの飲み方

それでは、ほうじ茶のカフェインは、人の体にどういった影響与えるのでしょうか。

カフェインが含まれていると、妊婦さんや小さい子供に影響があると言われています。

この章では具体的に次の5つのパターンに分けて影響を紹介していきます。

対象者 飲んで良い量の目安 おすすめのほうじ茶
妊婦さん 1日200mg〜300mg ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
授乳中の女性 1日300mg ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
赤ちゃん 控えた方が良い ・ノンカフェイン・赤ちゃん専用
子ども 【4歳〜12歳】45mg〜85mg未満/1日【13歳以上】2.5mg/kg体重未満/1日 ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
寝る前 控えた方が良い ・ノンカフェイン

※飲んで良い量の目安はさまざまな機関がそれぞれ異なる数値を出しており、上記の数値が絶対的な基準ではありません。詳しくは各章で解説します。

それでは詳しく見ていきましょう。

3-1. 妊婦さんへのカフェインの影響と飲める量の目安

妊婦さんのカフェインの影響ですが、大量摂取は厳禁ですが、ほうじ茶を1日1,2杯飲む程度であれば問題ありません。

なぜなら、妊婦さんがカフェインを摂取しすぎてしまうと妊婦さん自身の体や胎児に影響がでてしまいますが、推奨される量を超えない範囲であれば大きな影響を与える可能性は低いからです。

では、カフェインを過剰に摂取すると出る影響とはどのようなものでしょうか。妊婦さん自身には次のような症状が起きると言われています。

  • めまい
  • 心拍数の増加
  • 震え
  • 不眠症
  • 吐き気
  • イライラ

また、カフェインの摂取量が1日300mg以上(ほうじ茶で大きめの湯呑み12杯分)の妊婦さんは、流産のリスクが2倍になり、コーヒー1日8杯以上で死産のリスクも上がるとも言われています。

ですがこれは大量に摂取した場合の話。

現段階で日本では、カフェインが妊婦さんへ影響があると正式には判断されてませんが、海外諸国ではカフェインの妊婦さんへの影響を認め、次のように飲む量の制限をしています。

国/機関 カフェインによる影響 推奨カフェイン摂取量
世界保健機関(WHO) 未確定 コーヒー1日3〜4杯まで(ほうじ茶なら大きめの湯呑み9杯分に相当)
イギリス(英国食品基準庁) ・出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性
・高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性
1日200 mgまで(ほうじ茶なら大きめの湯呑み8杯分に相当)
カナダ保健省 ・不眠症・頭痛・イライラ感・脱水症・緊張感 1日300mgまで(ほうじ茶なら大きめの湯呑み12杯分に相当)

これらの国の規定によれば、妊婦さんでもほうじ茶を8杯は飲んでもいいということになります。

ただ、妊婦さんによって体質やかだらの大きさなどに個人差があるため、全員が8杯飲んでもいいとは言い切れません。

そこで、ほうじ茶は1日1,2杯程度、またデカフェやカフェインレスのものであればカフェイン量が少なめなので妊婦さんも安心して飲むことができます。

参考:厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A 

   東京都福祉保健局 東京都食品安全FAQ

   掘産婦人科 妊娠中のカフェイン摂取

 

3-2. 赤ちゃんや授乳中の女性へのカフェインの影響と飲める量の目安

赤ちゃんや授乳中のママも、カフェインの大量摂取は控えた方が良いですが、少量であれば問題ありません。

大量摂取は赤ちゃんの体に影響を及ぼすとされていますが、少量であればその影響が出る可能性は低いからです。

カフェインは赤ちゃんへ次のような影響を与えるとされています。

  • 興奮作用により、寝つきが悪くなる
  • 下痢になることもある
  • 不機嫌になりやすい

授乳中のママがほうじ茶を飲む場合も、カフェインの1%程度が母乳を通して赤ちゃんの体内に入るとされています。

加えて、赤ちゃんは大人に比べてカフェインの排泄に時間がかかるため、大人よりも長い時間、体内にカフェインが残り、影響を与え続けます。

日本では明確な規定はありませんが、カナダ保健省は、授乳中の女性のカフェイン摂取量は1日300mgまで(ほうじ茶なら大きめの湯呑み12杯分に相当)を推奨しています。

ですので、授乳中のお母さんは、ほうじ茶を1日1,2杯飲む程度であれば問題ありません。

さらに、「もっと飲みたい!」という方や、反対に、「1,2杯でも本当に影響がでないか心配」...という方は、ノンカフェインやデカフェ、カフェインレスのほうじ茶がおすすめです。

また、赤ちゃんが直接飲む場合は、ノンカフェインまたは赤ちゃん専用のほうじ茶がおすすめです。目安としては、離乳食が始まる生後5〜6ヶ月から、食事の補助としてあげるのが良いでしょう。

参考:東京都福祉保健局 東京都食品安全FAQ

3-3. 子どもへのカフェインの影響と飲める量の目安

子どものカフェイン摂取は、成長や健康にも影響を与えるため、大量摂取は控えた方が良いですが、少量であれば問題ありません

大量摂取を控えた方がいい理由は、子どもがカフェインを多くとると、次のような影響があるとされているからです。

  • 不安になりやすくなる
  • 集中力が低下する
  • 落ち着きがなくなる
  • 眠れなくなる
  • 疲労感を感じる
  • 脳の発育を邪魔する可能性がある

ですが、子どもはカフェインを全く摂取してはいけないというわけではありません。

日本では子どものカフェイン摂取量は決められていませんが、カナダでは次の量で飲むことが勧められています。

カナダ保健省の推奨するカフェイン摂取量
4歳〜6歳 45mg未満/1日(ほうじ茶2杯まで)
7歳〜9歳 62.5mg未満/1日(ほうじ茶2杯まで)
10歳〜12歳 85mg未満/1日(ほうじ茶3杯まで)
13歳以上 2.5mg/kg体重未満/1日(例:体重が45kgなら112.5mg=ほうじ茶4杯まで)

ですので、食事のたびにほうじ茶を飲んでいると摂取量が多すぎますので注意してください。

子どもには、ノンカフェインのほうじ茶であれば摂取量を気にせず飲ませることができますし、デカフェやカフェインレスのほうじ茶なら摂取量の調整が楽になるのでおすすめです。

参考:東京都福祉保健局 東京都食品安全FAQ

3-4. 寝る前のカフェインの影響と飲める量の目安

カフェインが脳に覚醒効果をもたらし、睡眠を遠ざけてしまうという影響を及ぼすことは知っている人も多いと思います。

そのため、カフェインは、寝る前6時間以内は飲まない方がいいとされています。

人によってカフェインを代謝できるスピードは個人差がありますが、23時に寝るなら17時以降はカフェインを取らない方がいいということですね。

そのため、午後や夕方になってほうじ茶を飲みたい人には、ノンカフェインのほうじ茶をおすすめします。

4.知っておくべき「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違い

ほうじ茶にもカフェインが含まれており、だれにどういう影響があるかがわかったかと思いますが、「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違いがわからない方もいるのではないでしょうか。

「ノンカフェイン」「デカフェ」「カフェインレス」の違いは、次の通りです。

ノンカフェイン カフェインを全く含んでいないもの
デカフェ もともとカフェインを含むものからカフェインを除いたもの(100%は取り除けないため、少量のカフェインを含んでいる
カフェインレス カフェイン含有量が少ないもの少量のカフェインを含んでいる

ほうじ茶を飲むときに、カフェインを1ミリも摂取したくないのであれば、ノンカフェイン一択です。

少しのカフェインなら摂取してもいい場合は、デカフェもしくはカフェインレスのほうじ茶を選びましょう。

カフェインは全くとりたくないけど、ほうじ茶は飲みたい!という人は、ノンカフェインのほうじ茶一択です。

ノンカフェインほうじ茶の商品は、実はあまり多くありません。理由は、ほうじ茶の作り方にあります。

基本的にほうじ茶は緑茶の茶葉から作られており、緑茶の茶葉自体がカフェインを含んでいます。

もともとカフェインが入っている緑茶の茶葉からカフェインを取り除くことになるので「デカフェ」となり、どうしてもカフェインゼロ(=ノンカフェイン)にはできないからです。

そのため、数少ないノンカフェインのほうじ茶は、緑茶の茶葉ではなく、他のお茶の茶葉から作られています

 

5.デカフェ・カフェインレスでおすすめのほうじ茶

少しくらいならカフェインをとっても大丈夫、という人は、デカフェもしくはカフェインレスのほうじ茶を選びましょう。

デカフェやカフェインレスのほうじ茶は、普通のほうじ茶と同じで緑茶の茶葉から作られているので、カフェインを抑えながらほうじ茶本来の味を楽しむことができます

また、ノンカフェインほうじ茶と比べると、デカフェやカフェインレスのほうじ茶は商品の幅も広がり、たくさんの選択肢があります。

そんな中から、おすすめのほうじ茶をご紹介します。ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。

5-1. 荒畑園「さんさんほうじ茶」

「さんさんほうじ茶」は、当社荒畑園独自の製法で作った香ばしく爽やかな低カフェイン茶です。

健康上の心配がある方にも飲んでもらえるよう、低カフェインにこだわったさんさんほうじ茶は次のように作られているのがポイントです。

  • カフェイン量が少なくなるように特殊栽培した「さんさん茶」の茶葉を使用
  • 当社オリジナルの低カフェイン製法で強火で丁寧に製造

さっぱりとした香ばしさとがお子さまにも人気のさんさん茶。

お子さまからご年配の方までご家族みんなで、さんさん茶の甘く上品な香りでやさしい味をぜひ楽しんでみてくださいね。

商品名 さんさんほうじ茶 参考価格 540円(税込)
メーカー 荒畑園 内容量 200g
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5-2. 荒畑園「さんさんほうじ茶」ティーパックタイプ

便利なマグカップ用ティーパックです。

茶殻の処理が簡単で、忙しい朝や職場など、外出先でも気軽にほうじ茶を楽しめます。

商品名 さんさんほうじ茶パック 参考価格 648円(税込)
メーカー 荒畑園 内容量 2g×50ヶ入

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5-3. 荒畑園「お茶屋が作ったほうじ茶粉末」

粉末タイプなので、急須も必要なく、茶殻も出ません。

茶葉の有効成分100%摂取でき、着色料無添加で安心です。

「お茶屋が作ったほうじ茶粉末」は、今話題のほうじスイーツなどの製菓材としても使えます。

商品名 お茶屋が作ったほうじ茶粉末 参考価格 540円(税込)
メーカー 荒畑園 内容量 100g

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6. まとめ

ほうじ茶には100ml当たり20mgのカフェインが含まれています

これは、玉露と比べると8分の1で、紅茶と比べると3分の2の量と、他のお茶と比べると少量です。

しかし、カフェインは少量でも、次のような場合に影響を与えるので、状況によってカフェイン量の少ない・または入っていないほうじ茶を飲んだ方が良いでしょう。

対象者 飲んで良い量の目安 おすすめのほうじ茶
妊婦さん 1日200mg〜300mg ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
授乳中の女性 1日300mg ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
赤ちゃん 控えた方が良い ・ノンカフェイン・赤ちゃん専用
子ども 【4歳〜12歳】45mg〜85mg未満/1日【13歳以上】2.5mg/kg体重未満/1日 ・ノンカフェイン・デカフェ・カフェインレス
寝る前 控えた方が良い ・ノンカフェイン

この記事を読んで自分や家族に合ったほうじ茶を見つけ、安心してお茶を楽しむ生活を送れることを願っています。

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