カテキン

カテキンの効果は8つ!新型コロナウイルスに効果があるってほんと?

「緑茶に含まれるカテキンは健康に良いって聞くけど本当なの?」

「カテキンが新型コロナウイルスにも効果があるの?」

このようになんとなくカテキンは体に良いと聞くけど、どのような効果があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

カテキンには、以下の8つの効果があります。

これらのカテキンの効果は、実際に数多くの実験などにより実証されているので、信頼できる効果と言って良いでしょう。

ただ、すぐに効果を得たいからと言って一度に多くのカテキンを摂取することはおすすめしません。カテキンを継続して取り続けることでこれらの効果を得ることができるのです。

そこでこの記事では、

  • カテキンの効果
  • カテキンとは何か
  • カテキンを多く含む食品
  • カテキンの適切な摂取量

をご紹介していきます。この記事を読めば、カテキンの効果やどのように飲めば効果を得やすいのかが分かり、日常生活でもカテキンを取り入れやすくなるでしょう。

カテキンの効果を知ってから緑茶などを飲んでみようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

1.健康促進に最適!カテキンの8つの効果

カテキンには以下の8つの効果があります。

カテキンと聞いてパッと思い浮かぶのは緑茶ですが、とても身近な緑茶を飲むことでこれだけのメリットがあるのは魅力的ですよね。

カテキンの効果を知り、積極的に取り入れてみましょう。

1-1.風邪やインフルエンザの予防

1つ目にカテキンは、風邪やインフルエンザの予防に効果があります。

緑茶でうがいをすると風邪やインフルエンザの予防になると聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

伊藤園と静岡県立大学薬学部の共同研究では、カテキンに抗ウイルス作用があり、緑茶を飲むことでインフルエンザの予防が期待できると発表しています。実際に以下のような研究を行い検証しています。

【方法】
医療施設の職員197人を2グループに分け、5ヶ月間片方のグループにだけカテキンとテアニンのカプセルを摂取。インフルエンザの感染状況の違いを検証。
【結果】
カテキンとテアニンを摂取し続けたグループ:97人中4人が感染(発症率4.1%)摂取しなかったグループ:99人中13人が感染(発症率13.1%

参考:伊藤園「研究開発レポート」

このようにカテキンを摂取した人の方がインフルエンザに感染しにくくなることがわかります。

カテキンは、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスに直接作用し、感染を無力化する成分が含まれているのです。

【風邪やインフルエンザを予防するための摂取方法】
20分ごとにカテキン入りのお茶を一口飲む

1-2.虫歯の予防

2つ目にカテキンは、虫歯の予防にも効果が期待できます。

カテキンは、もともとタンパク質にくっつく性質があり、タンパク質からできている虫歯菌などの細菌に効果を発揮するのです。

緑茶などを飲むことでカテキンが虫歯菌にくっつき虫歯菌の動きを抑制し増殖を防ぐことができます。

さらに歯垢が歯にくっつくのを防ぎ歯をきれいに保つ効果もあります。歯垢は、雑菌や食べかすなどの集まりで歯垢の中で酸が作られ、酸によって歯のエナメル質が溶けて虫歯になります。

そこで、カテキンを摂ることでこの歯垢も抑制されます。カテキンの歯垢付着抑制効果について以下のデータをみてみましょう。

【方法】
成人男子26人を対象に、茶カテキンを含む洗口液で毎食後洗口を3日間実施。A群は茶カテキン濃度0.037%(低濃度)、B群は茶カテキン濃度0.37%(高濃度)の洗口液で食後のうがいを行い4日目に歯垢の付着状態を確認した。1週間の間隔をあけ、プラセボ(カテキンを含まない洗口液)使用期間と比較。

【結果】
茶カテキン低濃度・高濃度どちらも歯垢の付着抑制効果がみられた。(どちらも抑制率約37%)歯垢指数は茶カテキンを含む洗口液を使用した場合、有意に低くなった。

参考:太陽化学株式会社「お茶の成分で口腔ケア!「カテキン」の歯垢付着抑制効果」

このことからカテキンを含むお茶などでうがいをすることで虫歯予防の効果があることがわかります。

【虫歯を予防するための摂取方法】
食後や寝る前にカテキン入りのお茶でうがいをする

1-3.食中毒や胃潰瘍の予防

3つ目は、食中毒や胃潰瘍の予防です。

カテキンには抗菌・殺菌作用があり、食中毒の原因となる0‐157などの食中毒菌や胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌の増殖抑制に効果があります。

下記の日本カテキン学会によるデータを参考に見てみましょう。

【方法】
細菌の繁殖しやすいペプトン水と、通常飲んでいる濃度の緑茶に0-157を加えて、どう変化していくのかを検証。
【結果】
ペプトン水の中の0-157:24時間後に約1000倍の菌数になった緑茶の中の0-157:5時間後に完全に死滅した

参考:日本カテキン学会

このようにカテキンには強い抗菌・殺菌作用があり、継続的に摂取することで様々な菌から体を守ってくれます。

【食中毒や胃潰瘍を予防するための摂取方法】
80℃以上の熱めのお湯で入れたカテキン入りのお茶を食事中や食後に飲む

1-4.老化の予防

4つ目は、老化の予防です。

体内に取り込む活性酸素には毒性があり、体内の細胞が酸化することで老化や病気の原因になります。活性酸素は普段の生活の中で常に発生するものなのですが、飲酒やストレスなど様々な要因で増加していきます。

身体の中には酵素の働きで活性酸素を減らす働きがありますが、加齢とともにこの働きが弱くなってしまいまいます。

そして活性酸素は増えすぎると体内を酸化させ、シミやシワ、たるみなど肌の衰えを進めていくのです。

しかし、カテキンを摂取することで活性酸素の働きを抑えることができます。つまり老化を予防することができるということです。

【老化を予防するための摂取方法】
カテキンを1日540mg以上(緑茶10杯程度)毎日継続して摂取する

1-5.がんの予防

5つ目は、がんの予防に効果があります。

活性酸素の除去作用のあるテアニンや、抗酸化活性を有するポリフェノールを含む緑茶はがんの予防にも効果があると言われています。

埼玉県立がんセンター研究所によるデータをみてみましょう。

【方法】
1986〜1991年に地域住民8553人を対象に行なった調査
【結果】
毎日10杯以上緑茶を飲む人①善玉コレステロール値が高く、悪玉コレステロール値が低い②心疾患の疾病率が低い③全年代でガン死亡率が低い
1日3杯以下しか飲まない人ガンによる死亡年齢が男性で5歳、女性で7歳高くなっている

参考:お茶の福本園「ガンの予防にお茶」

このことから緑茶を多く飲む人の方ががんの死亡率が低いことがわかります。

さらに緑茶カテキンが多様な臓器のがんにおいてがん幹細胞性を抑制することが研究などによって明らかにされています。(参考:埼玉県立がんセンター

【がんを予防するための摂取方法】
緑茶を1日10杯以上飲む

1-6.動脈硬化の予防

6つ目にカテキンは動脈硬化の予防をする効果もあります。

血管の中にゴミが溜まってしまうと脳血管や心臓の病気になるリスクが上がるため、血液をサラサラにし血管内の環境を気にしておくことは大切です。

血管内の環境にカテキンがどう働くのかというと、カテキンの中のエピガロカテキンガレートというものがカギとなります。

血液中の悪玉コレステロールが増えすぎてしまうと、酸化を起こしてしまいます。酸化した悪玉コレステロールは血栓をできやすくしたり、免疫細胞の死骸を生み血管内に留まってしまうことになります。

つまり悪玉コレステロールが増えすぎてしまうと血管内の環境が良くない状態になり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことになるのです。

カテキンの1種でもあるエピガロカテキンガレートは強力な抗酸化作用があるため、悪玉コレステロールの酸化を抑制し、血栓の原因となる血小板の凝集も抑制してくれます。

【動脈硬化を予防するための摂取方法】
80℃以上の熱めのお湯で入れたカテキン入りのお茶をこまめに飲む

1-7.肥満の予防

カテキンの7つ目の効果は、肥満の予防です。

最近ではトクホ(特定保健用食品)のお茶や機能性表示食品のお茶が販売され、お茶は体脂肪を減らすというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際にカテキンには肥満予防の効果が実証されています。花王株式会社と天使大学、斉藤昌之名誉教授(北海道大学)の共同研究を見てみましょう。

【方法】
褐色脂肪組織の活性が低い人を対象に茶カテキンが含まれる飲料を摂取する群と含まない飲料を摂取する群に分け、5週間1日2本の飲料摂取を継続。褐色脂肪細胞に関わるエネルギー代謝を調査。
※褐色脂肪組織とは・・・脂肪組織の1つで褐色脂肪組織の活性が低い人はエネルギー消費量が低く、脂肪を燃やしにくい傾向にある
【結果】
エネルギー消費変化量:茶カテキン群が対照群の約2倍脂肪燃焼変化量:茶カテキン群が有意に増強

このことから、茶カテキンを継続的に摂取する方が太りやすい体質の人の肥満予防につながることがわかります。

【肥満を予防するための摂取方法】
カテキンを1日540mg以上(緑茶10杯程度)毎日継続して摂取する

1-8.花粉症・アレルギー性鼻炎の緩和

8つ目の効果は、花粉症やアレルギー性鼻炎の緩和です。

抗アレルギー薬のトラニラストと同じように、カテキンにもアレルギー抑制効果があります。

具体的には、炎症や免疫反応に関わる細胞の活性化を抑制してくれるため、鼻詰まりやかゆみの原因であるヒスタミンの放出を抑えてくれるのです。

2005年に伊藤園と日本薬科大学が行った共同研究を見ていきましょう。

【方法】
軽度のスギ花粉症状を有する成人18人を試験群と対照群に分け、試験群にはカテキン類含有飲料250mlを1日3本、対照群は試験群の10分の1濃度の飲料を同量、6週間連続して摂取。
【結果】
鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)と目の症状(目のかゆみ、涙目)、生活の支障度において対照群と比較して有意な差が見られた。薬の使用頻度も対照群に多く、カテキン類含有飲料を飲用している群では使用頻度は少なかった。

参考:伊藤園「研究開発レポート」

このことからカテキン類含有飲料を飲んだ人は鼻症状や目の症状が少なく緩和の効果があったといえます。

さらに花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎だけでなく、ハウスダストやダニが原因となる通年性アレルギー性鼻炎にもカテキン類含有飲料の飲用は有効とされています。

このようにカテキンを継続的に摂取することで、鼻づまりや目のかゆみなどのアレルギー症状を緩和する効果が期待できます。

【花粉症・アレルギー性鼻炎を予防するための摂取方法】
80℃以上の熱めのお湯で入れたカテキン入りのお茶をこまめに飲む

2.そもそもカテキンってなに?

そもそもカテキンとは何なのか、あらためてお話していきます。

緑茶には独特な渋みがありますよね。あの渋みの主成分こそカテキンです。

カテキンは、ポリフェノールの一種で細かく分類すると、茶葉の中に形の違う4種類のカテキンが存在しています。

茶葉の中のカテキン含有量はおよそ15%ほどです。しかし品種や栽培条件・摘採時期などにより、含有量は変化するため、一概に全ての茶葉に15%ほど含まれているとは限りません。

日照量も大きく関係があり、日に当たっていた時間が多いほどカテキンの合成は進みます。つまり春に摘む一番茶より、夏に摘んだ二番茶の方がカテキンは多く含まれています。

1章でも紹介したようにカテキンには様々な効果が期待できますが、この効果を実感するためにはカテキンを継続して摂取することが重要です。

さらにカテキンは、お茶以外にも含まれているものもあるので、「4.緑茶以外にもある!カテキンが多く含まれる食品」を参考に取り入れてみてください。

3.新型コロナウイルスにもカテキンは効果がある?

世間を賑わしている新型コロナウイルスにもカテキンは効果があると言われ注目を集めています。

京都府立医科大学と伊藤園の共同研究では、茶カテキン類が細胞への感染能力を低下させる効果を確認しました。

ただし、お茶を飲めば新型コロナウイルスにかからないというわけではありません。お茶を飲んでもカテキンは血液中に吸収されないため、全身への効果が期待できないのです。

しかし、口内であればウイルスの感染能力を抑えることができ、お茶を口に含むことで飛沫感染のリスクを下げる可能性があることが分かりました。

京都府立医科大学大学院医学研究科免疫学の松田教授は、以下のような実験を行いました。

【方法】
健康な人の唾液と新型コロナウイルスを試験管に入れ、緑茶を加える。
【結果】
10秒ほどでウイルスの感染させる力が100分の1以下になった

つまり、飲食店などでマスクを外して会話をする前にお茶を含み飲みすることで、飛沫感染のリスクが減らせることになります。

新型コロナウイルスの直接的な感染予防や治療の効果は薄いですが、症状のない感染者からの飛沫感染を予防するという目的で緑茶の含み飲みは効果があるでしょう。

4.緑茶以外にもある!カテキンが多く含まれる食品

カテキンが含まれている食品は緑茶以外にもあります。

エピガロカテキン・エピカテキンガレート・エピガロカテキンガレートの3種類は緑茶に多く含まれているカテキンですが、エピカテキンは緑茶以外にも含まれている食品があります。

カテキンはポリフェノールの一種なので果物やカカオなどに含まれています。

このような食品からもカテキンを摂ることによって、他の栄養素も摂れるというメリットがあります。

また、エピカテキンはカカオから作られるココアやチョコレートに多く含まれています。そのためカカオが多く含まれているチョコレートなどには、カテキンの効果でもある動脈硬化の予防や老化・がんの予防なども期待できます。

ただし、チョコレートなどは毎日食べるとカロリーが気になる人もいますよね。そういった点から緑茶であれば、ほぼカロリー0なので気にせずたくさんカテキンを摂取することができるのでおすすめです。

しかし緑茶が苦手でどうしても飲めないという人は、これらの食品を取り入れてみるのも良いでしょう。

5.カテキンの効果を得るのに適切な摂取量

推奨されるカテキンの摂取量としては、1日7~10杯程度(100mlの湯呑)です。カテキン濃度で表すと540㎎ほどになります。

機能性表示食品とトクホ(特定保健用食品)であれば、ほとんどの製品でカテキンの量が表記されていたり、摂取量の基準が記載されているのでそちらを確認し適切な量を摂取するようにしましょう。

その他のペットボトルの緑茶でカテキン含有量を見てみると以下のようになります。

商品名 販売会社 内容量 カテキン類含有量(mg/100ml) 1本あたりのカテキン含有量(mg)
おいしいお茶 CGC 500 32 160
生茶 キリン 525 32 168
綾鷹特選茶 コカ・コーラ 500 34 170
伊右衛門特茶 サントリー 500 35 175
おーいお茶 伊藤園 525 36 189
綾鷹 コカ・コーラ 525 38 199.5
TOPVALU緑茶 イオン 525 39 204.8

参照:北海道立消費生活センター

このようにペットボトルの緑茶は、加工されているので茶葉に比べてカテキン含有量は少なくなり、カテキン540mgを摂取しようと思うと500mlのペットボトルで約3本ほど飲むことになります。

そして、飲むときも一気に飲むのではなく、ちょびちょび頻回に飲む方が良いとされています。

その理由として、カテキンは体内に取り入れられると2〜3時間ほどで血中からなくなってしまうからです。

カテキンの効果を最大限得たいのであれば、一度にたくさんの量を飲むのでなくこまめにカテキンを摂取すると良いでしょう。

まとめ

緑茶に多く含まれるカテキンには、以下の8つの効果があります。

さらに、新型コロナウイルスの予防にも効果があることが分かっており、今後の研究結果も興味深いところです。

カテキンはポリフェノールの一種なのでお茶以外にも以下のような食品から摂取することもできます。

さまざまな健康効果が期待できるカテキンを積極的に取り入れてみましょう。

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