2種のポリフェノール 糖尿病に効果
袋井市松原の発酵技術開発会社「RIVERSON」の河村伝兵衛社長(68)は、自身が開発した微生物制御発酵茶の中に2種類の新しいポリフェノール成分を発見した。
細胞レベルの実験で、生活習慣に由来する糖尿病を引き起こす酵素の生成を抑える効果があると分かった。静岡大、佐賀大などとの共同研究。特許庁が24日に公報する。
微生物制御発酵茶は、アフラトキシン(カビ毒)を作らないことが科学的に確認された微生物を利用する新しいジャンルの茶。
原料は一般的な緑茶の荒茶で、水分調整-殺菌-微生物発酵などの行程を経る中で、渋味、苦味の原因であるカテキン成分が分解される。それら成分が微生物によって新しいポリフェノールになるという。茶(tea)、伝兵衛、ポリフェノールから「 teadenol A,B」と名付けた。
肥満のラット18匹を使った実験では、内臓脂肪、中性脂肪、コレステロールがいずれも減少、または低下し、体重は減少した。
人間が飲む100倍の濃度を投与する安全性検査もクリアしたという。
河村社長は、微生物制御発酵茶の原料が荒茶である点を重ねて強調し、「年間を通じて安定した生産が可能」としている。
カテキン含有量が高い茶が適していることから、二番茶の有効な活用に期待が持てるとし、「茶業振興が図れる」と話している。
平成23年 3月 23日(水)静岡新聞 掲載記事